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『つむじ風食堂の夜』吉田 篤弘
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2006/10/17(Tue)
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とても雰囲気のよい本。ほの暗い夜、翠がかった空気に舞うつむじ風や、ところどころのオレンジ色のスポットライトの光景が目に浮かぶ。西部劇で、主人公が舞台となる街へ足を踏み入れた時の別世界へ入った瞬間のような…。 その期待の分だけ心に残るようなお話でないのが残念。タイトルになっているわりに食堂がメインの舞台として印象に残らないせいかもしれない。商店街の人それぞれの方が魅力的だ。 加えて書くと、洋食屋のメニュー「コロッケ」が「クロケット」で添え物が「粗雑に刻んだ生キャベツなんぞではなく〜温野菜」とくれば、どうしたって池波正太郎さんの描いた「散歩のとき何か食べたくなって」での資生堂パーラーが思い浮かぶ(「クロケット」でなく「チッキン・クルケット」だけど)。そう思ってしまうと同じく池波さんの「原っぱ」の、物書きである主人公と女優とのエピソードの類似性が気になってしまうわけで…。 ちょっと勿体タイミングで読んでしまったのかもしれない。浮世離れした物書きなら、最近文庫でも入手したお気に入りの「家守奇譚」がたまらなく良い出来だし。
*大好きな二冊なのです〜。 |
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